症状別の対処法

子どもの熱に関するコラムが
掲載されました

広島の病院検索サイト「ファミリードクター」に、当クリニック院長が執筆したコラムが掲載されました。

コラム内では子どもがよく熱を出す理由や原因、自宅でできる対処法についてご紹介しています。
子どもの発熱時に疑われる病気や、子どもが熱を出した時に観察すべきポイントも解説しますので、受診すべきかどうかを判断するための参考になさってください。

【子どもの熱】病院へ連れて行く?行かない?自宅でできる対処法|医療・健康コラム|ファミリードクター

発熱時の対処法

自宅でお子さまをみる際のポイント

  • 01
    水分補給

    最も大切です。
    発熱中、お子さまの体からは思っている以上の早さで水分が抜けていきます。脱水を防ぐため、少量ずつこまめに水分を与えてください。飲ませるものは、母乳、ミルク、乳幼児用イオン飲料、経口補水液(OS-1など)などが向いています。コップで一気に飲ませると、胃を刺激して吐き戻しの原因になります。吐き戻しがあった場合は30分ほど休憩し、スプーン1さじの量から再開しましょう。

  • 02
    食事内容

    無理に食べさせる必要はありません。
    食欲がないのは、身体が消化にエネルギーを回せていないサインです。無理に与えると胃腸の負担になります。お子さまが欲しがるタイミングで、お粥、うどん、ゼリーなど、噛む手間と消化の負担が少ないものを少しずつ与えるようにしましょう。また、嘔吐がある時は柑橘類は避けましょう。

  • 03
    冷却・保温

    震えや寒気は、身体が体内で熱を作っている途中というサインです。この段階で冷やすと熱の上昇が妨げられ、お子さまの体力を余計に奪います。手足が冷たくて寒がっている時(悪寒がある時)は温め、手足が温かくなり熱が上がりきって体が熱い時は冷やしてあげましょう。
    首の付け根、脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通る場所を中心に冷やすようにしましょう。

  • 04
    解熱鎮痛剤の使い方

    機嫌が悪く眠れないときや、水分が飲めないとき、痛みでつらそうなときに使用します。使用間隔や用法・用量を守ってください。
    解熱鎮痛剤は一時的に熱を下げたり痛みをとったりするものであり、病気を治す薬ではありません。小さなお子さまに使いすぎると肝臓に負担がかかりますので必要時のみ使いましょう。高熱を出すことによりウイルスや細菌が弱ってくれるため、発熱は感染症と戦うための武器にもなり、解熱剤を使いすぎるとむしろ治りが悪くなると言われています。水分が飲めて眠れていれば解熱鎮痛剤はなるべく使用せずに様子をみましょう。

発熱時の注意点

  • 発熱時は普段よりも水分が失われるので、充分な水分補給が必要です。母乳・ミルク・乳幼児用イオン飲料などをこまめに与え、汗や呼吸で抜けていく水分を補ってあげてください。
  • 発熱時はいつもより薄着にしてかまいません。 ただし熱が上がる際に寒気を伴いガタガタ震えている時は温かくし、熱が上がりきって手足の先まで温かくなったら薄着に切り替えましょう。
  • 子どもの発熱は朝に一旦下がっても、午後から再発熱することがよくあります。一旦解熱しても安心せず丸一日解熱したことを確認するまでは検温を続け、お子さまの様子に注意しましょう。登園・登校は24時間以上解熱して、症状が落ち着き普段通りの食事ができるようになってからにしましょう。
  • 発熱していても、元気で機嫌がよく水分も摂れていれば、急いで解熱剤を使う必要はありません。
  • 夜間や休日に慌てないために、解熱剤の予備を日頃から備えておくと安心です。
  • 解熱剤が手元にない、もしくは低月齢で使用できない場合は、氷嚢・保冷剤・冷たいタオルで首・脇の下、足の付け根を冷やす方法もあります。お子さまが嫌がるときは無理に冷やさなくても大丈夫です。
  • 熱の経過を熱型表に記録してご持参いただくと、診断受診時の判断材料になります。

下痢・嘔吐時の対処法

下痢時の対処法

  • 01
    水分補給

    下痢が続くと、便とともにお子さまの体から大量の水分が抜けていきます。経口補水液や薄いお茶を、スプーンやシリンジで少量ずつ何度にも分けて与えてください。

  • 02
    食事の調整

    食事を戻すときは、お粥やうどんなど消化の良い胃腸に負担をかけないものから始めましょう。脂肪分・繊維質の多いもの、乳製品、冷たいもの、炭酸飲料などは、便が普段の状態に戻るまで控えてください。

  • 03
    お尻のケア

    下痢便には消化液が含まれており、皮膚を強く刺激します。排便のたびにお尻が荒れやすくなりますので、排便後はぬるま湯で洗い流すか、こすらず押さえるように優しく拭き取って清潔に保ちましょう。

嘔吐時の対処法

  1. Step01
    絶飲食

    吐いた直後に水分を口に入れても、胃が反応してまた吐き戻してしまいます。30分から1時間ほどは何も与えず、胃の動きが落ち着くのを待ってあげてください。

  2. Step02
    水分を再開

    絶飲食の時間が過ぎたら、経口補水液(OS-1など)や薄めたリンゴジュース、スープなどを、スプーンやスポイトで少量ずつ与えます。少量ずつにするのは、胃を再び刺激しないためです。お腹に気づかれない程度にそーっと与えましょう。

  3. Step03
    量を増やす

    水分を再開してから1〜2時間のあいだに吐き戻しがなければ、胃が落ち着いてきたサインです。少しずつ量を増やし、普段の飲み方に段階的に戻していきましょう。

下痢・嘔吐時の注意点

  • 原因を見極める手がかりとして、便の回数と性状(水様便、泥状便、軟便、不消化便など)をメモに残しておきましょう。
  • 毎日スマホで便の写真を撮っておき、診察時にそのまま医師にお見せください。
  • 脱水対策の基本は、こまめな水分補給です。食事が摂れない間は、水・お茶ではなく、母乳やミルク、乳幼児用イオン飲料、リンゴジュース、お味噌汁・うどんのスープのみ、スポーツドリンクを薄めたものなど、塩分・糖分の入った水分を与えましょう。飴をなめられる年齢のお子さまであれば飴で糖分を摂るのも良いでしょう。
  • 食べられそうなら、お粥やうどんなど消化のよいものから食事を再開してください。

腹痛・便秘時の対処法

腹痛時に見られる危険なサイン

Point.01 激しい痛みが続いている
泣き止まないほど痛がるとき、痛む場所がおへそ近くから徐々に右下に移動するとき、陣痛のように周期的に強く痛がるときなどは、迷わず速やかに受診してください。
Point.02 嘔吐を伴っている
吐いたものに胆汁が混じっていたら、緊急性の高い状態です。腹痛と同時に何度も嘔吐をくり返す場合も、早めに受診してください。
Point.03 便に異常がある
イチゴジャムのような真っ赤な便や真っ黒い便が見られたら血便の可能性がありますので、便を持参してすぐに医療機関を受診してください。
Point.04 顔・全身の状態がちがう
顔色が青白い、冷や汗が出ている、ぐったりして元気がない、高い熱がある。ふだんのお子さまと全身の様子が違うと感じたら、受診をお願いします。

ここまでの緊急サインがなく、丸1日以上便が出ていないときは、浣腸液を使って浣腸するか、乳児なら綿棒で肛門刺激を行うのも良いでしょう。浣腸しても反応便が出ない、便が出ても症状が改善しない場合は受診をご検討ください。

便秘時の対処法

  • 01
    水分摂取

    便を柔らかくして出しやすくするため、十分な水分(水、麦茶など)をこまめに与えましょう。
    特に朝起きた直後の水分補給は効果的です。寝ている間に失われた水分を補うとともに、腸の動きを活発にするスイッチにもなります。日中も遊びの合間などに、喉が渇く前の一口を習慣にしましょう。

  • 02
    食事の工夫

    便通を整えるため、食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、豆類、きのこ類など)を積極的に摂りましょう。
    繊維質の多い食材は、便の水分を保ち、カサを増やすことで腸を刺激してくれます。毎日の献立に少しずつ取り入れ、お子さまが無理なく美味しく食べられる工夫をしてみましょう。

  • 03
    マッサージ

    リラックスした状態で、おへその周りを、時計回りに「の」の字を描くように優しくマッサージしてあげましょう。
    大腸の流れに沿って適度な刺激を与えることで、腸の動きが活発になり排便を促します。スキンシップを楽しみながら、お風呂上がりや寝る前などお子さまがリラックスしている時に試してみてくださいね。

  • 04
    規則的な排便

    腸の動きを促すため、毎朝食後など、決まった時間にトイレに座る習慣をつけましょう。
    出なくても焦らず、まずはリラックスして座る時間を設けることが大切です。毎日繰り返すことで体が排便のリズムを覚え、自然な便意につながりやすくなります。お子さまの頑張りを優しく応援してあげてくださいね。

当クリニックで対応する
主な疾患

  • 風邪

    お子さまの風邪は、発熱、鼻水、咳、喉の痛みなどの他、嘔吐や下痢を伴うこともあります。言葉でうまく伝えられない小さなお子さまの場合、機嫌が悪い、食欲がない、ぐったりしているといった様子の変化が大切なサインです。
    「いつもと違うな」と感じたら、どんな些細なことでも構いませんのでご相談ください。

  • インフルエンザ

    急な高熱や頭痛、全身のだるさ、筋肉痛などが強く出るのが特徴です。普通の風邪に比べて症状が重く、お子さまの場合は機嫌が悪くなったり、ぐったりしたりすることも多いです。周囲の流行状況や、周囲に感染を広げないための早めの受診が大切ですが、発熱から12時間以上経過してからの検査をおすすめします。登園や登校の基準についても、アドバイスさせていただきます。

  • RSウイルス気管支炎

    RSウイルスは、ひどい咳やゼーゼーする喘鳴(ぜんめい)が特徴で、気管支炎を引き起こしやすいウイルスです。2歳までにほぼすべてのお子さまが1回は感染する風邪の1つですが、特に乳児は呼吸が苦しくなりやすく、夜も眠れないほど咳き込むこともあります。呼吸が苦しそうな場合、水分が飲めない場合は、早めにお越しください。

乳児皮膚炎 赤ちゃんのデリケートな肌に起こる湿疹の総称です。
湿疹がある肌には細かな傷があり、その傷からダニや食べ物の成分が侵入するとアレルギーの原因になることが分かってきています。アレルギーを予防するためにも、清潔と保湿を心がけ、お薬でなるべく早く炎症を抑えて健やかな肌を目指しましょう。
突発性発疹 生まれて初めての発熱に多い病気です。
数日間発熱が続き、解熱後に体に赤い発疹が出ます。不機嫌になることが多く、熱性けいれんを起こすこともあります。
手足口病 夏風邪の一種で、口の中や手足に水ぶくれのような発疹が出ます。発熱はあるときとないときがあります。
口の痛みが強く食欲が落ちることもあるため、水分補給をしっかり行いましょう。
ヘルパンギーナ 夏風邪の一種で、喉の奥に小さな水ぶくれのような発疹ができます。発熱はあるときとないときがあります。
飲み込みが辛くなるので、喉ごしの良いもので栄養を摂りましょう。
リンゴ病(伝染性紅斑) 頬がリンゴのように赤くなり、手足に網目状の赤みが出ます。
発疹が出る頃には感染力はほぼなくなり、元気に過ごせることが多いです。妊婦さんが感染した場合はまれに胎児に重篤な影響が出ることがあるため注意が必要です。
プール熱(咽頭結膜熱) 高熱、喉の痛み、目の充血が特徴です。
感染力が非常に強いため、食器やタオルの共有は避け、しっかり休んで回復を待ちましょう。
とびひ(伝染性膿痂疹) 虫刺され跡など傷のある湿疹から細菌が入り込み、水ぶくれやかさぶたが「飛び火」するように広がります。
抗生物質の塗り薬や飲み薬で治療し、患部を清潔に保ちましょう。湿疹から汁が出る場合はガーゼなどで覆いましょう。
溶連菌感染症 喉の強い痛みや熱、イチゴのような舌のブツブツが出ます。体に赤い発疹が出ることもあります。
合併症を防ぐため、症状が消えても処方された抗菌薬は最後まで飲み切り、2ヶ月間は血尿や顔・四肢のむくみが出ないか注意しましょう。
ウイルス性胃腸炎(ノロ・ロタ・アデノなどを含む) 激しい嘔吐や下痢が急に起こります。白っぽい下痢が出ることもあります。脱水を防ぐため、少しずつ糖分・塩分の入った水分を補給し、ぐったりしている、水分摂取ができない、尿量が少ない時は早めに受診しましょう。
二次感染を防ぐため次亜塩素酸Naによる消毒も大切です。アルコールが効かないため、石鹸でこまめに手洗いしましょう。
水ぼうそう(水痘) 全身にかゆみのある赤い発疹と水ぶくれが出ます。感染力が強く、すべてがかさぶたになるまで出席停止ですが、お薬で症状を和らげられます。1歳になったらワクチンで予防しましょう。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎) 耳の下から顎にかけてぷっくりと腫れ、痛みや熱を伴います。
特効薬はありませんが、髄膜炎、脳炎、膵炎など合併症に注意が必要なため、しっかり安静にして様子を見ましょう。難聴、性腺炎(精巣炎、卵巣炎)を発症し、不妊の原因になることもあります。1歳と年長さんの時期にワクチン接種をしましょう。
乳幼児便秘 便が硬く出すのが辛い状態で、おしりが切れることもあります。
水分摂取や食事の工夫、腹部マッサージ、綿棒刺激などを行い、改善がなければ必要に応じてお薬を使い、痛くない排便の習慣を作っていきましょう。
アトピー性皮膚炎 かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返します。
スキンケアを中心に必要時には適切なステロイド外用剤を使用して、良い状態を長く保つことが大切です。薬を止めるとすぐにぶり返してしまう場合は皮膚の奥で炎症がくすぶっている状態ですので、プロアクティブ療法がおすすめです。クリニックでご相談ください。
気管支喘息 気道が敏感になり、風邪をひいたとき、季節の変わり目、梅雨や台風など低気圧が近づいたとき、煙を吸ったとき、走った後などにゼーゼーした呼吸や咳が出ることを繰り返します。喘息発作を繰り返していると、気道の壁が厚く硬くなって不可逆的な変化を起こすことがあります。発作を防ぐための毎日の治療で、元気に走り回れる毎日を目指します。
マイコプラズマ感染症 しつこい乾いた咳が長く続くのが特徴です。
基本的には自然に治る病気ですが、症状が長引く場合は適切な抗菌薬での治療が効果的ですので、長引く咳がある時は早めに受診しましょう。
アレルギー性鼻炎・結膜炎・花粉症 花粉・埃やダニなどが原因で鼻水・鼻づまりや目・鼻のかゆみが出ます。
目や鼻の不快感は睡眠や学習時の集中力にも影響するため、お子さまに合った目薬や点鼻薬、飲み薬を使うことで、外遊びや通学を快適に過ごせるよう整えます。3歳以上がおすすめですが、当院では指先採血で41項目のアレルギー検査を行うことができます。5歳以上であればスギ・ダニの舌下免疫療法を行うことができますのでぜひご相談ください。
小児てんかん 脳の電気信号の乱れにより、一時的に意識が混濁して呼びかけに反応しなくなったり、体が強直したりガクガク震えたりする発作を繰り返します。お薬で症状を抑え、定期的に脳波検査、血液検査を行いながら、元気に普段通りの生活が送れるようサポートしていきます。
発達障害(注意欠陥多動症、自閉症スペクトラム) 成長発達のペースや得意なことと不得意なことの差が大きく、日常生活で大きな困り感がある状態です。
その子らしい特性を理解し、生活しやすくなる工夫を一緒に考えます。必要に応じて療育を始めるための意見書を記載したり、より詳しい心理検査が必要と思われる場合は専門病院への紹介を行います。